睡眠時無呼吸症候群(SAS)と学会報告 その1

徳島大学にて開催された、「日本睡眠歯科学会・第23回学術大会」に参加いたしました。睡眠と歯科?と思われるかもしれませんが、睡眠障害は、ひどくなると、「睡眠時無呼吸症(SAS)」となり、単なる睡眠不足ではなく、高血圧や糖尿病といった疾患を誘発します。また、日中のパフォーマンスが下がるため、海外では社会的な地位の高い人ほど、睡眠の質に対する関心が高くなっています。歯科診療で日常的に見られる「歯ぎしり」も睡眠障害に大きく関連していると言われています。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)はPSG検査(ポリソムノグラフィー検査)を行います。これによって睡眠障害の有無や重症度を評価し、治療方針を決めるために用いられます。

目次

 初診・問診

まず、SASが疑われる場合、医師による問診が行われます。睡眠中のいびきや無呼吸、日中の眠気、肥満の有無などの症状について確認されます。問診を通じて、睡眠ポリグラフィー(PSG)の実施が必要かが判断されます。

PSG検査(ポリソムノグラフィー)

PSG検査は、睡眠中の呼吸や脳波、心拍、筋活動などを詳細に測定する検査です。通常は睡眠専門の検査室やクリニックで一晩泊まりながら行われ、検査装置を装着して睡眠状態を記録します。以下が測定項目です:

  • 呼吸の有無やパターン
  • 血中酸素濃度
  • 脳波や眼球の動き
  • 心拍数
  • 筋電図(あご、脚など)

検査結果から、無呼吸の回数や重症度が評価されます。

 主な治療法

  • 生活習慣の改善:軽度の場合、減量や睡眠姿勢の改善が推奨されることがあります。
  • CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法):中等度から重度の無呼吸がある場合、CPAP療法が一般的です。鼻に装着したマスクを通じて空気を送り込み、気道を開いたままにすることで無呼吸を防ぎます。
  • マウスピース治療:軽症から中等症の場合、マウスピースを装着して顎を前に出し、気道を確保する方法もあります。
  • 外科手術:重症で他の治療法が効果を示さない場合、手術により気道を拡げる方法が選択されることもあります。

フォローアップ

治療開始後も定期的にフォローアップを行い、治療効果を確認します。

SAS用のマウスピースは一般的に「OA(Oral Appliance、口腔内装置)」または「マウスピース」と呼ばれます。具体的な名称としては「口腔内装置療法」や「スリープスプリント」とも呼ばれ、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の治療に使われます。

医療法人社団峰瑛会では、社内技工部において精度の高い装置を作成し、紹介患者さんからも好評です。

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