歯科医院でのキーンという音に恐怖を感じる方は少なくありません。今回は、その不安を和らげる3つの効果的な方法をご紹介します。歯科医院の選び方から通院の事前準備や心構えまで、実践的なアドバイスが満載です。なぜキーン音が苦手と感じるのか、その心理的メカニズムや、最新の静音技術を採用した治療法についても解説しています。この記事を読めば、次の歯科治療をリラックスして受けられるようになるはずです。歯科医院のキーン音を克服して、適切な口腔ケアをはじめましょう!ルミライズ歯科東中野がサポートいたします。
1. 歯科医院のキーンという音に恐怖を感じる理由とは
「歯科医院に行くと聞こえるあのキーンという音…」多くの方が苦手に感じるこの音には、実は心理的・生理的な理由が隠れています。歯科医院が怖いと感じる理由の中でも、治療中の「音」は大きな要因のひとつです。
1.1 ドリル音が引き起こす心理的影響
歯科治療で使われるハンドピース(歯を削る機械)やエアータービンから発せられる高周波の音は、多くの方に不安や緊張を引き起こします。この反応には科学的な根拠があります。
人間の耳は一般に20〜20,000Hzまでの音を聞き取ることができ、特に2,000〜5,000Hzの範囲で感度が高いとされています。この周波数帯域は、日常生活において重要な音、例えば人の声や警告音などが含まれており、私たちが最も敏感に反応する領域です。
歯科用ハンドピース(ドリル)が発する騒音は、5,000Hzから8,000Hzの範囲に強いエネルギーを持っています。この周波数帯域は、耳の感度が特に高い領域に位置しているため、患者にとって非常に気になる音となり、無視することが難しいのです。
高周波音は脳の扁桃体(恐怖や不安を処理する脳の部位)を刺激し、ストレスホルモンの分泌を促進します。これが「逃げたい」という本能的な反応を引き起こす原因となっています。また、このような音は痛みを連想させることも多く、実際の痛みがなくても不安感を増幅させる効果があります。

1.2 過去のトラウマ体験との関連性
歯科医院でのキーンという音に強い恐怖を感じる方の中には、過去の不快な歯科治療体験が関係している方もいます。
特に子ども時代の歯科治療での痛みや不快感は、長期間にわたって記憶に残りやすいものです。その時に聞いた「キーン」という音と、痛みや不安といった感情が脳内で強く結びついてしまうことがあります。
心理学ではこれを「条件付け」と呼びます。一度この条件付けが成立すると、音だけを聞いても自動的に不安や恐怖の感情が呼び起こされる仕組みになっています。
トラウマ体験は個人差が大きく、同じ治療でも感じ方は人それぞれです。しかし、一度形成されたトラウマは適切なケアなしでは長期間持続することがあります。

1.3 音に対する過敏症(ミソフォニア)について
一部の方々は「ミソフォニア」と呼ばれる特定の音に対する強い嫌悪感や過敏性を持っていることがあります。これは比較的最近注目されるようになった状態で、特定の音に対して通常以上の感情的・生理的反応を示す症状です。
日常生活では問題なくても、歯科治療特有の音に対してのみこのような反応が現れることもあります。
1.3.1 感覚過敏と音への反応
全体的な感覚過敏を持つ方(感覚処理障害や自閉スペクトラム症の特性を持つ方など)は、歯科治療の音に対してより強い不快感を示すことがあります。これは音の物理的な特性だけでなく、脳がその情報を処理する仕方に違いがあるためです。
歯科治療の音は以下の特性を持っており、これらが不快感を強める要因となっています:
- 予測不能な音量変化
- 不規則なリズム
- 高周波成分の強さ
- 金属的な音質
- 音源が自分の頭部に近いこと
これらの要素が組み合わさることで、通常の音よりも強い生理的反応を引き起こします。特に頭部に近い場所で発生する音は、骨伝導によって内耳に直接伝わるため、より強く感じられることがあります。
でも、ご安心ください。音に対する苦手意識は珍しいものではなく、多くの方が同じように感じています。現代の歯科医療では、そうした不安に配慮した治療が増えてきています。
2. キーンという音が発生する歯科治療の種類
歯科医院で聞こえる「キーン」という音。多くの方がこの音に不安を感じています。まずは、どのような治療でこの音が発生するのか、詳しく知っておくことで心の準備ができるでしょう。
2.1 虫歯治療で使用される機器
虫歯治療で最も特徴的な「キーン」という音を出すのは、歯科用タービン(ドリル)です。この機器は虫歯部分を除去するために欠かせないものです。
タービンは毎分30万回転以上という非常に高速で回転するため、高音が発生します。一方で、回転数が高いほど治療の精度が上がり、患者さんへの振動も少なくなるというメリットがあります。

2.2 歯のクリーニング時に使われる器具
定期的なメンテナンスで行われる歯のクリーニングでも「キーン」という音が多少発生します。この音の主な原因は超音波スケーラーです。
超音波スケーラーは、毎秒約2万5000〜3万2000回という超高速で振動し、歯の表面に付着した歯石や汚れを効率的に除去します。治療で使用する機器に比べて回転数が多く、人間が感知できる周波数を超えているため、そこまで大きな音には感じません。
クリーニングで使用される主な機器と音の特徴は以下の通りです:
- 超音波スケーラー:キーンという高音
- パウダークリーニング:シャーという空気音
- ハンドスケーラー(手用器具):ほとんど音が出ない
- PTC用のブラシとペースト:低音の回転音
音が苦手な方には、パウダークリーニングを依頼することも可能です。パウダークリーニングのみでは全ての汚れを取るのは難しく、ハンドスケーラーも併用することになることが大半ですが、音のストレスは大幅に軽減できるはずです。事前に歯科医院に相談してみましょう。
2.3 その他の歯科治療における音
上記以外にも、歯科治療では「キーン」という音が発生することがあります。
- 被せ物(クラウン)の調整:セラミックや金属の調整時にバーの回転音
- 噛み合わせの調整:歯の研磨音
これらの音が発生する機器は治療に必要なものですが、音が苦手な方は遠慮なく歯科医師や衛生士に相談してみましょう。患者さんができる限り快適に治療を受けられるよう、工夫してもらえることが多いと思います。

3. 歯科治療のキーン音を和らげる方法①:事前準備と心構え
歯科治療中のキーンという音に対する不安は、事前の準備と適切な心構えでかなり和らげることができます。この章では、歯科医院に行く前にできる準備や、診療中の不安を軽減するためのコミュニケーション方法について詳しくご紹介します。
3.1 治療内容を詳しく知っておく重要性
歯科治療に対する不安の多くは「何をされるか分からない」という未知への恐怖から生まれています。治療内容をあらかじめ理解しておくことで、心の準備ができ、不安が軽減されることが多いのです。
治療前を開始する前に、以下のような質問をしてみましょう:
- どのような治療を行うのか
- 治療にはどのくらいの時間がかかるのか
- 痛みはあるのか、あるとすればどの程度か
事前に治療内容を理解することで、「いつまで続くのだろう」という不安が減り、心の準備ができるはずです。分からないことは遠慮なく質問してみましょう。

3.2 不安を医師に伝えるコミュニケーション術
歯科医師に自分の不安や恐怖を伝えることは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、多くの歯科医師は患者さんの不安を理解し、配慮した治療を行いたいと考えています。
効果的に自分の不安を伝えるポイントをいくつかご紹介します:
3.2.1 率直に伝える
「キーンという音が苦手で不安です」と素直に伝えましょう。具体的な不安の原因を知ることで、歯科医師は適切な対応ができます。
例えば「前回の治療で○○という経験があり、それ以来音が怖くなりました」というように、具体的なエピソードも伝えると理解してもらいやすくなります。

3.2.2 質問を準備しておく
不安に思うことは、メモに書き出しておくとよいでしょう。緊張していると言いたいことを忘れてしまうことがあります。
- 「一度に治療する時間を短くして、複数回に分けてもらえますか?」
- 「こまめにうがいをさせてもらえますか?」
このような具体的な質問を準備しておくと、安心して治療に臨めるはずです。
3.2.3 信頼関係を築く
歯科医師とスタッフを信頼できると感じることが、不安軽減の大きな鍵となります。しっかりとコミュニケーションを取り、安心して任せられる歯科医院を選ぶことも重要です。
ルミライズ歯科東中野では、初診時に細かなカウンセリングを行なっております。苦手なこと・治療をスムーズに進めるために希望することなどがあれば、事前にお知らせください。

3.3 事前の心理的準備テクニック
歯科医院に行く前の心の準備も大切です。以下のような心理的準備テクニックを試してみましょう。
3.3.1 ポジティブイメージングの実践
治療が無事終わった後の状態を具体的にイメージしてみましょう。例えば「治療が終わって健康な歯になる」「痛みから解放される」といったポジティブな結果に意識を向けることで、不安が軽減されることがあります。
歯科治療のキーン音に対しては、「このわずかな時間を乗り越えれば、今後何年も健康な歯で過ごせる」といった前向きな捉え方ができるとよいでしょう。

3.3.2 事前の情報収集
医院のウェブサイトで情報を集めておくことも、ひとつの安心材料になります。医院の雰囲気や設備、特徴などを知ることで、未知への不安が軽減されます。
3.3.3 事前の物理的準備アイテム
「手元にハンカチを持っていると、安心して治療を受けられる」とおっしゃる患者さんが複数いらっしゃいます。水などが飛ぶ可能性があるため、汚れてほしくないもの、また、診療の妨げになりかねないもののお持ち込みはご遠慮いただいておりますが、ハンカチなどちょっとしたアイテムでも緊張がほぐれる場合がありますよ。治療中手元に持っておきたいものがある際は、スタッフまでお尋ねください。

事前の準備と適切な心構えは、歯科治療における不安軽減に大きな効果があります。自分に合った準備方法を見つけ、少しでも快適な歯科治療体験につなげていきましょう。次のチャプターでは、歯科医院の選び方について詳しく解説します。
4. 歯科治療のキーン音を和らげる方法②:歯科医院の選び方
歯科医院でのキーンという音が苦手な方にとって、どんな歯科医院を選ぶかは非常に重要です。ここでは、キーン音に敏感な方が歯科医院を選ぶ際のポイントをご紹介します。
4.1 BGMの流れている歯科医院
現在は多くの歯科医院で、BGMを導入しています。BGMが流れている歯科医院では、キーン音に集中してしまうことなく、リラックスして治療を受けやすくなります。
また、完全個室の歯科医院が良い方もいれば、半個室で他の方の声が聞こえている方が気が紛れるという方もいるでしょう。ご自身が安心して治療を受けられるような、歯科医院選びをおすすめします。

4.2 不安患者に配慮している歯科医院の特徴
歯科治療に不安を感じる患者さんへの配慮が行き届いている歯科医院には、いくつかの共通した特徴があります。こうした特徴を持つ歯科医院を選ぶことで、キーン音への不安も軽減できる可能性が高まります。
4.2.1 コミュニケーションを大切にする歯科医院
患者さんの不安に寄り添う歯科医院では、初診時のカウンセリングに十分な時間を取り、患者さん一人ひとりの恐怖心や不安について丁寧に聞き取りを行います。治療前の説明も詳しく、質問にも親身に答えてくれるでしょう。
ルミライズ歯科東中野では、丁寧なカウンセリングに加えて、治療中も患者さんの様子に気を配り、必要に応じて休憩を取るなど、患者さんのペースに合わせた診療を心がけています。
4.2.2 不安軽減のための設備やサービス
不安を感じる患者さんに配慮している歯科医院では、次のような設備やサービスを提供していることが多いです:
- リラックスできる院内環境(明るい院内、アロマなど)
- 大学病院など、大きな病院との連携や紹介
患者さんの不安の大きさや歯科医院の音の苦手具合によっては、一層設備の充実した病院へご紹介し、より快適な環境の中での治療をおすめする場合があります。連携している病院があるかどうかもご確認いただくと、さらに安心して通院できるのではないでしょうか。

5. 歯科治療のキーン音を和らげる方法③:麻酔や代替治療の活用
歯科治療の痛みが苦手で恐怖を感じる方には、麻酔や代替治療といった選択肢があります。上手に活用することで、不安や恐怖心を軽減し、リラックスした状態で治療を受けることができるかもしれません。
5.1 局所麻酔の種類と効果持続時間
歯科治療で最も一般的に使われるのが局所麻酔です。痛みを感じる部分だけを一時的に麻痺させることで、痛みを感じずに治療を受けることができます。キーンという音は聞こえますが、痛みがないことで不安が軽減されることも多いです。
現在の歯科医院では、麻酔注射の際の痛みを軽減するために様々な工夫がされています:
- 表面麻酔(塗るタイプの麻酔)を事前に使用
- 極細の注射針を使用
- コンピューター制御の電動麻酔注射器の活用
ルミライズ歯科東中野では、「表面麻酔」と呼ばれる塗るタイプの麻酔を先に使うことで、注射の痛みをほとんど感じないよう工夫しています。これにより、麻酔注射への不安も大きく軽減されています。

5.1.1 電動麻酔注射器の利点
最近の歯科医院では、コンピューター制御の電動麻酔注射器が導入されているところも増えています。ルミライズ歯科東中野も導入しています。これにより:
- 一定の速度でゆっくりと麻酔液を注入できる
- 注射時の圧力による痛みを最小限に抑えられる
- 安定した麻酔効果が得られる

このような新しい機器の導入により、痛みを感じにくい治療が実現されつつあります。不安なことがあれば、遠慮なく歯科医師や歯科衛生士にご相談ください。患者さんの不安を和らげることは、スムーズな治療にもつながる、歯科医療のとても重要な部分なのです。
適切な麻酔を活用することで、痛みへの恐怖心が和らぎ、少しでもリラックスした状態で治療を受けることができるはずです。一度怖いと感じた歯科治療も、これらの方法を知ることで少しずつ克服していけるのではないでしょうか。
5.2 パウダーによるクリーニング
歯のクリーニングといえば、超音波スケーラーのキーンという音を思い浮かべる方も多いでしょう。そのような方におすすめなのが、パウダークリーニングです。
ルミライズ歯科東中野で導入している『エピック2in1』は、超微細な専用パウダー(グリシン)と水がスプレー状に出る機械で、これを歯に吹き付ける事で、歯の着色汚れ、虫歯や歯周病、口臭の原因となるバイオフィルム(細菌の塊)を短時間でやさしく取り除きます。従来の超音波スケーラーと比べて、不快な音がなく、痛みも少ないのが特徴です。
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5.2.1 パウダークリーニングの特徴と効果
- キーンという高周波音がない
- 歯面への刺激が少なく、痛みを感じにくい
- 知覚過敏の原因になりにくい
- 短時間で効率的にクリーニングができる
- 歯間部や歯周ポケットの清掃にも効果的
特にコーヒーやタバコによる着色汚れに対しては、エアーフローが非常に効果的です。また、矯正装置を付けている方のブラケット周囲の清掃にも適しています。音が少なく快適なため、リピート率が非常に高い治療法なのです。
さらに、パウダークリーニングを行う前に、専用のピンクの液体で染め出しを行うことで、ご自身での歯磨きの癖がわかり、磨きにくい場所を確認したり、通常のケアに役立つアドバイスを受けることが可能です。

5.2.2 エアーフローとスケーリングの比較
比較項目 | エアーフロー | 従来のスケーリング |
---|---|---|
音 | シャーという軽い音 | キーンという高周波音 |
痛み | ほとんどなし | 歯や歯茎の状態によっては痛みあり |
着色除去効果 | 非常に高い | 高い |
歯石除去能力 | 軟らかい歯石が中心 | 硬い歯石も除去可能 |
ただし、パウダークリーニングだけでは硬い歯石を完全に除去することが難しいため、場合によってはハンドスケーラーと併用することもあります。ルミライズ歯科東中野では予防歯科に力を入れているので、患者さんの状態に合わせて最適な組み合わせを提案いたします。

音が苦手な方でも安心して受診できる歯科医療は確実に広がっています。「キーンという音が怖い」という理由だけで歯科治療を避けることなく、ご自身に合った方法で、お口の健康を守りましょう。
6. まとめ
歯科治療中のキーンという音が苦手でも、事前の準備や医院選び、痛みや音に配慮された治療方法を知ることで、不安はぐっと軽くなります。最近は、音や痛みに敏感な方でも安心して通えるように、さまざまな工夫を取り入れた歯科医院が増えています。まずは、自分の不安を正直に伝えることが第一歩。信頼できる歯科医院と出会えれば、治療への恐怖心も自然と和らぎます。
歯の健康は全身の健康につながる大切なもの。キーンという音が苦手でも、適切な対処法を知り、定期的な歯科検診を受けることで、健康な歯を維持していきましょう。ルミライズ歯科東中野では、患者さんの気持ちに寄り添い、安心して治療を受けられる環境づくりを大切にしています。お気軽にご相談ください。
