【徹底解説】親知らずは抜いた方が良い?抜くべき理由と放置するリスク

親知らずを抜くべきか迷っていませんか?本当に抜かなければならないのか、抜く場合の痛みや腫れはどの程度なのか…不安になってしまいますよね。本記事では「親知らずを抜いた方が良いケース」と「抜かなくても問題ないケース」を解説します。

結論から言うと、親知らずが斜めに生えていたり炎症を起こしている場合は抜歯をおすすめしますが、まっすぐ正常に生えていて問題がない場合は必ずしも抜く必要はありません。抜歯手術の流れや痛みについての不安、費用や回復期間などの疑問にもお答えします。放置するリスクについても分かりやすく説明しているので、親知らずを抜くべきか迷っている方の判断材料の一つになるのではないでしょうか。親知らずの抜歯を希望されている方、抜歯をすべきか判断に迷っている方は、中野区の歯医者、ルミライズ歯科東中野へお気軽にご相談ください。

目次

1. 親知らずとは何か?基本的な知識

親知らずは正式には「第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)」と呼ばれる歯で、口の一番奥に生える最後の臼歯です。

1.1 親知らずの名前の由来

「親知らず」という名前には面白い由来があります。この歯が生えてくる時期は一般的に10代後半から20代前半で、すでに親元を離れて独立している頃、つまり「親が知らない間に生えてくる歯」ということから「親知らず」と呼ばれるようになったと言われています。

英語では「Wisdom teeth(知恵歯)」と呼ばれ、人が知恵を身につける年齢に生えることから名付けられました。世界各国でも似たような呼び方をしている国が多い歯です。

1.2 親知らずが生える時期

親知らずは通常、10代後半から20代前半に生えてきます。しかし、人によって生える時期には大きな差があり、30代になってから生えてくる方もいれば、まったく生えてこない方もいます。さまざまな意見がありますが、日本人の約10〜20%は一本も親知らずが生えないと言われています。

親知らずが生えてくる過程でよく見られる症状としては、歯茎の腫れや痛み、周囲の歯に対する圧迫感などがあります。特に、斜めに生えてきたり、一部が歯茎の中に埋まったままの状態だと、不快感や痛みを感じることが多いです。

親知らずの生え方は人それぞれで、以下のようなパターンがあります:

  • まっすぐ正常に生える
  • 斜めに生える
  • 一部だけ生えて残りは歯茎に埋まっている(半埋伏)
  • まったく生えてこない(完全埋伏)

親知らずの生える位置は上下左右の4箇所で、全ての位置に生える方もいれば、1〜3本だけ生える方もいます。生える本数も個人差が大きいのが特徴です。

1.3 親知らずの本来の役割

現代人にとって親知らずは「不要な歯」と思われがちですが、実は進化の過程で重要な役割を担っていました。親知らずは、私たち人類の祖先が固い植物や生肉を摂取していた時代に、強力な咀嚼力を得るために必要だった歯なのです。しかし、調理された柔らかい食べ物を摂るようになり、顎が小さくなってきたことで、親知らずが正常に生えるスペースが不足するようになったと考えられています。

2. 親知らずを抜いた方が良いケースとは

親知らずは残しておくべきか抜くべきか、多くの方が悩まれるポイントです。実は、親知らずが問題を引き起こしているサインがいくつかあります。

2.1 親知らずが斜めに生えている場合

親知らずの中でも特に注意が必要なのが、斜めに生えているケースです。

親知らずが斜めに生えてしまう理由は、主に顎のスペース不足です。現代人は進化の過程で顎が小さくなっている一方、親知らずの数は変わらないため、十分なスペースがなく斜めに生えてしまうことが多いのです。

斜めに生えた親知らずには、次のような問題が生じやすくなります:

  • 隣の歯を押して歯並びを悪くする
  • 食べ物が詰まりやすく、清掃が困難になる
  • 隣の健康な歯の根を圧迫して痛みを引き起こす
  • 歯茎の一部だけが露出し、そこから細菌が入り込みやすくなる

斜めに生えた親知らずは、通常のブラッシングでは清掃が難しいため、歯科医師の多くは早めの抜歯を推奨しています

2.2 周囲の歯茎に炎症が起きている場合

親知らずの周りの歯茎が腫れや痛みが起こる「智歯周囲炎」は、親知らずが部分的に歯茎から顔を出している状態で起こりやすいです。

智歯周囲炎の主な症状には以下のようなものがあります:

  • 歯茎の腫れと赤み
  • 触ると痛みを感じる
  • 口を開けにくい
  • 口臭が強くなる
  • 時に熱が出ることもある

この状態は、親知らずの上に被さっている歯茎の小さなポケットに食べ物のかすが溜まり、細菌が繁殖することで起こります。一度炎症を起こした親知らずは、再発を繰り返すことが多いため、抜歯を検討する大きな理由となります。症状がある場合は早めに歯科医院を受診することが大切です。

2.3 虫歯になっている親知らず

親知らずは口の一番奥にあるため、日常の歯磨きが非常に難しい位置にあります。そのため、他の歯と比べて虫歯になりやすいという特徴があります。

親知らずの虫歯には、いくつかの問題点があります:

問題点詳細
治療の困難さ奥まった位置にあるため、通常の虫歯治療が難しい
隣の歯への影響放置すると隣の健康な第二大臼歯まで虫歯になりやすい
清掃のしにくさ歯の溝が深いが、歯ブラシが届きにくい
再発リスク治療しても清掃が難しいため再発しやすい

親知らずに虫歯ができた場合、多くの歯科医師は抜歯を勧めることが一般的です

2.4 他の歯を押して歯並びが悪くなる場合

親知らずが生えてくるとき、十分なスペースがない場合は、前にある歯を押し込む力が働きます。これにより、歯並びが崩れてしまうことがあります。

歯科矯正の専門医の多くは、矯正治療後の後戻りを防ぐために、親知らずの早期抜歯を推奨しています。特に顎のスペースが十分でない場合は、将来的な歯並びの乱れを予防するために親知らずを抜くことが検討されます。

2.5 顎関節への負担がかかる場合

親知らずが正しく噛み合わないと、噛む時のバランスが崩れ、顎関節に余計な負担がかかることがあります。これが長期間続くと、顎関節症などの問題につながる可能性があります。

特に次のような症状がある場合は注意が必要です:

  • 口を開けたり閉じたりする際に顎からカクカク音がする
  • 朝起きた時に顎が痛む、または顎が疲れている感じがする
  • 頭痛やこめかみの痛みが頻繁にある
  • 口を大きく開けにくい

顎関節への負担が疑われる場合、親知らずを抜くことで症状が改善されることがあります

親知らずを抜くべきかどうかは、個々の状況によって異なります。お口の中に違和感を感じたり、痛みがあったりする場合は、まずは歯科医院で相談してみましょう。早期に適切な判断をすることで、将来的な問題を未然に防ぐことができます。

3. 親知らずを放置するリスク

親知らずは生えてきても痛みがなければ放置しがちですが、実は見えないところでさまざまな問題を引き起こしている可能性があります。

3.1 親知らずの周囲炎のリスク

親知らずが完全に生えきらず、一部だけ顔を出している状態(半埋伏歯)の場合、歯と歯茎の間に食べ物のカスが溜まりやすくなり、親知らずの周りの歯茎に炎症が起きることがあります

特に奥歯は自分で見えにくく、ブラッシングも行き届きにくいため、知らないうちに症状が進行してしまうことがあるため、注意が必要です。

3.2 隣の歯が虫歯になる危険性

親知らずが斜めに生えていると、隣の第二大臼歯(7番目の歯)との間に隙間ができます。この隙間は歯ブラシが届きにくいため、食べ物のカスや細菌が溜まりやすく、健康な第二大臼歯が虫歯になってしまう可能性があります

実際に、親知らずを原因とする第二大臼歯のむし歯は珍しくありません。「親知らずを放置していたら、隣の健康な歯までむし歯になってしまった」ということにならないように気をつけましょう。

3.3 顎関節症などの合併症

親知らずが正常に生えてこない場合、咬み合わせのバランスが崩れることがあります。これにより顎に過度な負担がかかり、次のような症状を引き起こす可能性があります:

  • 顎関節症(顎を動かすときの痛みやカクカク音)
  • 頭痛やめまい
  • 肩こりや首の痛み
  • 耳鳴りや耳の違和感

顎関節症は一度発症すると、セルフケアだけでは完治が難しい症状です。

3.4 重度の痛みや腫れの可能性

親知らずの周囲に炎症が起きると、進行するにつれて症状が悪化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります

3.4.1 炎症が進行した場合に起こりうる症状

  • 激しい痛みで食事や会話が困難になる
  • 頬や顎が大きく腫れる
  • 38℃以上の高熱
  • 口が開けづらくなる
  • 飲み込む時の痛み

症状が辛く救急外来を受診するケースもあります。このような緊急事態を避けるためにも、症状がない時期に親知らずの状態を確認しておくことをおすすめします。

3.5 全身への影響のリスク

親知らずの周囲炎が悪化すると、口腔内の細菌が血流に乗って全身へ広がるリスクもあります。特に注意が必要なのは以下のような状態です:

  • 糖尿病や心臓病などの基礎疾患がある方
  • 免疫力が低下している方
  • 高齢の方

近年の研究では、口腔内の状況が心臓病や糖尿病などの全身疾患と関連することが報告されています。親知らずの問題は単なる「歯の問題」ではなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があるのです。

3.6 思わぬタイミングでの急性症状

親知らずの問題は、重要な予定や旅行中など、思わぬタイミングで急に症状が出ることがあります

例えば、次のようなケースが考えられます:

  • 海外旅行中に痛みが出て現地の歯科医院を探す羽目になる
  • 試験や就職面接の直前に顔が腫れる
  • 結婚式や大切なイベントの前に急性症状が出る

計画的に対処することで、こうした予期せぬトラブルを避けることができます。

3.7 将来的な抜歯の難易度上昇

親知らずの抜歯は若い時期に比べて難しくなる傾向があります。また、若いうちは骨の再生力が高いため、抜歯後の回復も早い傾向にあります。「今は痛くないから」と放置していても、将来的に問題が生じた場合、治療がより複雑になる可能性があることを覚えておきましょう。

親知らずによるリスクは人それぞれ異なります。次の章では、逆に親知らずを抜かなくても良いケースについてご紹介します。自分の親知らずがどのような状態なのか、一度歯科医院で確認してみることをおすすめします。

4. 親知らずを抜かなくても良いケース

「親知らずは必ず抜かなければならない」というのは誤解です。実は、状態によっては抜歯せずに残しておいた方が良いケースもあります。

4.1 まっすぐ正常に生えている場合

親知らずが歯列にきれいに並んで、まっすぐ正常に生えている場合は、必ずしも抜歯する必要はありません。正常な位置に生えた親知らずは、他の奥歯と同じように噛む機能を果たすことができます。

正常に生えている親知らずの特徴は以下の通りです:

  • 歯並びを乱していない
  • 歯茎に炎症を起こしていない
  • 虫歯になっていない
  • 歯磨きがしやすい状態

このような状態であれば、定期的な歯科検診と適切な歯磨きを行うことで、親知らずを残したまま問題なく過ごせる可能性が高いです。大切なのは、たとえ症状がなくても、定期的に歯科医院で検診を受けることです。状態の変化を早期に発見できれば、必要に応じた対応が可能になります。

4.2 対合歯がある場合の機能性

「対合歯」とは、上下で噛み合う歯のことです。親知らずに対合する歯がある場合、その親知らずは咀嚼機能に貢献している可能性があります。ただし、対合歯があっても、清掃が難しい位置にある場合は歯科医師と相談することをおすすめします。

4.3 将来的に他の歯の代わりになる可能性

親知らずを残しておくべき理由の一つに、将来的に他の大臼歯を失った場合の「保険」としての役割があります。例えば、第一大臼歯や第二大臼歯が重度の虫歯や歯周病によって抜歯が必要になった場合、親知らずを残しておくことで:

  • 失った歯の位置に親知らずを移動させる治療の選択肢が残る
  • インプラントなどの高額な治療を回避できる可能性がある
  • ブリッジの支えとして活用できる場合がある

特に若い方の場合、将来の歯の状態を考慮して、問題のない親知らずは残しておくという選択肢も検討する価値があります

4.4 清掃が十分にできる環境にある場合

親知らずの位置によっては、日常の歯磨きやフロスで十分に清掃できる場合があります。このような環境にある親知らずは、虫歯や歯周病のリスクが低く、抜歯せずに維持できる可能性があります。

親知らずの裏側の状態や、根の状態などはご自身では確認することができません。歯科医師に相談するのが最も確実です。

4.5 全身疾患や特殊な状況がある場合

全身疾患や特殊な事情がある場合は、親知らずに明らかな問題がない限り、定期的な経過観察を行いながら残しておくことが選択されることがあります。持病や服用中のお薬がある場合は、必ず歯科医師に伝えることが重要です。医科と歯科の連携によって、最適な治療計画を立てることができます。

4.6 埋伏歯でも問題を起こしていない場合

完全に骨の中に埋まっている親知らずで、将来的にも問題を起こす可能性が低いと判断される場合は、無理に抜歯せず経過観察するケースもあります。

特に、以下のような場合は経過観察が選択されることがあります:

  • レントゲン検査で将来も生えてくる可能性が極めて低い
  • 周囲の骨や歯に悪影響を与える可能性が低い
  • 病変がない
  • 神経に近接していて抜歯のリスクが高い

ただし、定期的な歯科検診でレントゲン撮影を行い、状態に変化がないか確認することが必要です。将来的に何らかの問題が生じた場合には、その時点で抜歯を検討することになります。

4.7 親知らずを残す場合の注意点

親知らずを残す選択をした場合でも、以下の点に注意する必要があります:

  • 定期的な歯科検診(3〜6ヶ月に1回)を欠かさない
  • 丁寧な歯磨きとフロスなどの清掃を毎日行う
  • 違和感や痛みを感じたらすぐに歯科医院を受診する
  • 定期的にレントゲン検査を受け、状態の変化を確認する

親知らずを抜くか残すかは、それぞれの状況によって異なります。大切なのは、信頼できる歯科医師としっかり相談し、ご自身の口腔内の状態に適した選択をすることです。定期検診を通じて、親知らずを含めたお口の健康を維持していきましょう。

5. 親知らずの抜歯手術について知っておくべきこと

親知らずを抜くことになったとき、「どんな手術なの?」「痛くないかな?」と不安に思われる方も多いでしょう。ここでは、親知らずの抜歯手術の流れや注意点について詳しくご説明します。事前に知識を得ておくことで、安心して治療に臨めるはずですよ。

5.1 抜歯手術の流れ

親知らずの抜歯手術は、通常次のような流れで行われます。手術と聞くと怖いイメージがあるかもしれませんが、歯科医院で日常的に行われている処置ですので、あまり心配しすぎる必要はありません。

5.1.1 術前の準備と診察

まず、歯科医師による詳しい診察とレントゲン(CT)撮影が行われます。これにより、親知らずの位置や状態、周囲の神経や血管との位置関係などを確認します。場合によっては、より詳細な情報を得るためにCT撮影を行うこともあります。

また、抜歯当日は軽めの食事をしておくことをおすすめします。空腹だと気分が悪くなることがありますし、満腹すぎても具合が悪くなる可能性があります。

5.1.2 麻酔の注射

抜歯手術では、痛みを感じないように局所麻酔を行います。麻酔の注射は「チクッ」とした痛みを感じることがありますが、すぐに周囲が麻痺して痛みを感じなくなります。麻酔が効いているかどうかを確認してから手術を始めるので、安心してください。

5.1.3 抜歯の実施

麻酔が効いたら、いよいよ抜歯を行います。親知らずの状態によって手術の方法は異なるため、インターネット上の情報だけでなく、歯科医師からの事前説明をきちんと聞き、疑問点があれば事前に確認しておくと安心です。

抜歯後は、抜いた後の傷口を消毒し、必要に応じて縫合します。まっすぐ生えている親知らずなら10分程度で終わることもありますが、複雑なケースでは30分以上かかることもあります。

    5.1.4 術後の処置

    抜歯後は、出血を止めるためにガーゼを噛んでいただきます。また、腫れを抑えるために濡れタオルなどで冷やすこともあります。医師から術後の注意点や処方薬の説明を受けて終了です。

    5.2 抜歯の痛みや麻酔について

    「抜歯は痛い」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、現代の歯科治療では痛みをできるだけ抑える工夫がされています。

    5.2.1 局所麻酔の効果

    親知らずの抜歯では、通常、局所麻酔を使用します。麻酔が効いている間は痛みをほとんど感じません。麻酔の効き目は個人差がありますが、通常1〜2時間ほど持続します。

    ルミライズ歯科東中野では、麻酔の注射自体の痛みを軽減するために、必要に応じて塗るタイプの麻酔を先に使用しています。

    5.2.2 痛みへの個人差

    痛みの感じ方には個人差があります。同じ処置でも「思ったより痛くなかった」という方もいれば、「少し痛みを感じた」という方もいます。痛みに不安がある場合は、事前に歯科医師に相談しましょう。

    また、抜歯中に少しでも痛みを感じたら、我慢せずに手を挙げるなどの合図をして、歯科医師に伝えることが大切です。追加で麻酔をすることで、痛みなく治療を続けることができます。

    5.3 抜歯後の注意点と回復期間

    親知らずの抜歯後は、適切なケアを行うことで早く快適に回復できます。以下の注意点を守りましょう。

    5.3.1 抜歯直後から数時間

    • 医師から指示された時間(通常30分程度)はガーゼを噛んで出血を止める
    • 麻酔が切れるまでは食事を控える(やけどや、頬や舌を噛んでしまう恐れがあるため)
    • 腫れを抑えるために濡れタオルなどで冷やす(冷やしすぎない)
    • 横になる場合は、頭を少し高くした状態にする

    5.3.2 抜歯当日の注意点

    抜歯当日は、以下のことに気をつけましょう:

    • 激しい運動や入浴は控え、シャワー程度にする
    • アルコールやタバコは控える(血液の循環に影響し、治りが悪くなります)
    • 柔らかく熱くない食事をとる(おかゆ、豆腐、プリンなど)
    • 抜歯部位をつついたり吸ったりしない
    • うがいは優しく行う(強いうがいはかさぶたの生成に影響する可能性があります)

    5.3.3 抜歯後1週間程度の注意点

    抜歯後1週間程度は以下のことに注意が必要です:

    • 抜歯部位以外の歯でよく噛んで食事する
    • 処方された薬(抗生物質や鎮痛剤など)を指示通りに服用する
    • 歯磨きは行うが、抜歯部位はやさしく避けるように磨く
    • 腫れや痛みが強くなった場合は、医院に連絡する

    5.3.4 回復の目安

    親知らずの抜歯後の回復期間は、抜歯の難易度や個人の治癒力によって異なりますが、おおよそ以下のような経過をたどります:

    経過期間一般的な回復状況
    当日〜1日目麻酔の効果が切れて痛みを感じることがある、腫れが出始める方もいる
    2〜3日目腫れが出た場合はピークに達することが多い、痛みは徐々に軽減
    4〜10日目腫れが徐々に引く、痛みは解消に向かう

    通常、抜糸は1週間程度で行われますが、処置によっては抜糸の必要がないこともあります。不安なことがあれば、担当の歯科医師に遠慮なく質問してください。私たちルミライズ歯科東中野は、患者さんの不安を和らげ、安心して治療を受けていただけるようサポートいたします。

    6. よくある質問と回答

    親知らずについて悩まれている方から多く寄せられる質問にお答えします。

    6.1 親知らずを抜いた後の食事はどうすれば良い?

    抜歯後は、歯科医師からの注意事項を守って過ごしましょう。当日の食事は、麻酔の効果が残っている間は控え、麻酔が切れてからも柔らかい食べ物を選ぶと良いでしょう。

    推奨される食べ物避けるべき食べ物
    お粥・うどん・パン粥固いもの(せんべい・ナッツ類)
    豆腐・茶碗蒸し粘着性のあるもの(餅・キャラメル)
    ヨーグルト・プリン刺激物(辛いもの・酸っぱいもの)
    ポタージュスープ熱いもの

    抜歯後2〜3日は特に注意が必要です。この期間は抜歯部位を刺激しないよう、反対側の歯で噛むようにしましょう。徐々に普通の食事に戻していくことができますが、1週間程度は抜歯部位に負担をかけない食事を心がけましょう。

    6.2 抜歯後の腫れはどのくらい続く?

    親知らずの抜歯後の腫れの程度や期間は、抜歯の難易度や個人差によって変わってきます。抜歯2〜3日後にピークを迎え、7〜10日程度でおさまるケースが多いです。

    次のような症状がある場合は、通常の腫れの範囲を超えている可能性があるため、すぐに担当医に連絡しましょう:

    • 38度以上の発熱を伴う
    • 抜歯から3日以上経っても腫れが増大する
    • 強い痛みが持続する
    • 口が開きにくくなる

    6.3 親知らずを抜く最適な時期はいつ?

    親知らずを抜く最適な時期は個人の状態によって異なります。一般的には、若いうちのほうが治癒に時間がかかりにくい傾向にあります。ただし、特に次のような場合は、年齢に関わらず早めに抜歯を検討した方が良いでしょう:

    • 周囲の歯肉に炎症を繰り返している
    • 隣の歯を圧迫して歯並びに影響している
    • 斜めや横向きに生えていて、将来的に問題が予測される

    親知らずが正常に生えている場合や、特に問題がない場合は、無理に抜歯する必要はありません。定期的に歯科検診を受けて、状態をチェックしてもらうことをおすすめします。

    6.4 保険は適用される?

    親知らずの抜歯は、多くの場合、健康保険が適用されます。ただし、状況によって保険適用の条件や自己負担額が変わります。

    次のような症状や状態がある場合は、健康保険が適用されることがほとんどです:

    • 親知らずに虫歯がある
    • 周囲の歯肉に炎症(智歯周囲炎)がある
    • 他の歯を圧迫している
    • 顎骨内に埋まっていて、将来的に問題を起こす可能性が高い

    6.4.2 保険適用外となる可能性のあるケース

    次のような場合は、保険適用外となることがあります:

    • 特に症状がなく、予防的な理由だけで抜歯を希望する場合
    • 審美的な理由のみで抜歯を希望する場合
    • 患者さんの希望で高度な麻酔法(静脈内鎮静法など)を使用する場合(麻酔法のみ自費になることもあります)

    保険適用の有無や自己負担額については、事前に歯科医院で確認しておくことをおすすめします

    6.4.3 大学病院や口腔外科での抜歯について

    難しい症例や、全身疾患・服用中の薬がある場合などは、患者さんの全身の状況を踏まえて、安全で正確な処置を受けられるように、大学病院や口腔外科のある総合病院に紹介状を作成するケースがあります。抜歯は保険適用となるケースが多いですが、病院や処置内容によって自費での費用が発生することがあります。詳しくは、紹介先の担当医にご相談ください。

    親知らずの抜歯は、症状や状態に応じた適切な判断と処置が必要です。定期的な歯科検診を受けて、早期に対応することで、より安全で経済的な治療を受けられるでしょう。

    7. まとめ

    親知らずは、抜くべきか残すべきか迷うことが多い歯です。生え方や周囲の状態によって、抜歯が必要なケースと、様子を見て良いケースがあります。トラブルを防ぐには、早めの診断が大切です。放置することで痛みや腫れ、虫歯、歯並びの乱れなどにつながることもあります。一方で、きちんと生えていて問題がなければ、無理に抜歯を行う必要はありません。

    最も大切なことは、定期的な歯科検診で、ご自身では磨きにくい箇所のクリーニングとあわせて、親知らずを含め問題が起きそうでないか確認してもらうことです。継続的にチェックを受けることで、お口の中のトラブルを未然に防ぐことができますよ。親知らずに関して不安がある方は、ルミライズ歯科東中野へお気軽にご相談ください。状態を見極めて、あなたにとって最善の対策をご提案いたします。

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