むし歯や歯周病、けがなどで大切な歯を失ってしまった時、多くの方が「どのような治療を選べばよいのだろう」と悩まれることでしょう。現在では、歯を失った部分を補う治療法として、入れ歯、ブリッジ、そしてインプラント治療という選択肢があります。
その中でも、インプラント治療は「第二の永久歯」とも呼ばれるほど、自然な歯に近い機能と見た目を取り戻すことができる画期的な治療法です。しかし、「手術が必要」「費用が高い」といったイメージから、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、インプラント治療について正しい知識をお伝えし、患者さんが安心して治療の選択肢を検討できるよう、わかりやすく解説いたします。中野区の歯医者、ルミライズ歯科東中野では、患者さん一人ひとりのお悩みに寄り添い、最適な治療プランをご提案しております。まずは基本的な知識から一緒に学んでいきましょう。
1. インプラントの基本的なしくみ
1.1. インプラントの構造について
インプラントは、失った歯の根っこの部分から歯の頭の部分まで、すべてを人工的に再現する治療法です。3つの主要なパーツから構成されており、それぞれが重要な役割を果たしています。
インプラント体は、あごの骨に直接埋め込まれる部分で、いわば人工の歯根です。主にチタンという材料で作られており、このチタンは人間の体との相性が非常によく、骨としっかりと結合する性質があります。この現象を「オッセオインテグレーション」と呼び、インプラント治療の成功の鍵となっています。
アバットメントは、インプラント体と人工の歯をつなぐ中間的な部品です。インプラント体にしっかりと固定され、上部の人工歯を支える土台となります。患者さんのお口の状態に合わせて、角度や高さを調整することができるため、より自然で美しい仕上がりを実現できます。
上部構造(人工歯)は、実際に見える歯の部分で、セラミックやジルコニアなどの美しい材料で作られます。天然の歯と見分けがつかないほど自然な色合いと形を再現することができ、周りの歯との調和を大切にした設計が可能です。

1.2. 従来の治療法との違い
歯を失った際の治療法として、これまでは主に入れ歯やブリッジが選ばれてきました。それぞれの治療法には特徴があり、患者さんの状況によって適した選択肢が変わります。
入れ歯治療は、取り外し可能な人工歯を使用する方法です。比較的短期間で治療が完了し、費用も抑えることができます。しかし、噛む力は天然歯の約30~40%程度にとどまり、食べ物の制限が生じることがあります。また、装着時の違和感や、話しにくさを感じる方もいらっしゃいます。

ブリッジ治療は、失った歯の両隣の歯を削って土台とし、連結した人工歯を被せる方法です。固定式のため入れ歯のような違和感は少なく、噛む力は天然歯の約60%程度得ることができます。ただし、健康な歯を削る必要があり、土台となる歯に負担がかかるというデメリットがあります。

これに対してインプラント治療は、隣の歯を削ることなく、失った歯だけを独立して治療することができます。あごの骨にしっかりと固定されるため、噛む力は天然歯とほぼ同等の約80~90%を回復することが可能で、歯を失う前と同じようにお食事を楽しめます。見た目の自然さや清掃性の高さも大きなメリットです。

ルミライズ歯科東中野では、これらの特徴を活かし、患者さんの生活の質を大きく向上させる治療を心がけています。

2. インプラント治療のメリット
2.1. 自然な噛み心地の回復
インプラント治療の最大の魅力は、天然歯に近い噛み心地を取り戻すことができることです。あごの骨にしっかりと結合したインプラント体が、まるで自分の歯の根っこのように機能するため、ステーキやリンゴ、おせんべいなど、硬い食べ物でも安心して噛むことができます。
また、奥歯を失った場合でも、インプラントなら十分な噛む力を発揮できるため、思う存分お食事を楽しめます。
噛む力が回復することで、食べ物をしっかりと咀嚼できるようになり、消化にもよい影響を与えます。栄養の吸収も改善され、全身の健康維持にもつながります。さらに、よく噛むことで脳への刺激も増え、認知症の予防効果も期待されています。

2.2. 見た目の美しさ
インプラント治療では、ジルコニアなどの高品質な材料を使用して人工歯を作製します。これらの材料は天然歯とほぼ同じ色合いと透明感を持っているため、隣の歯との境目がほとんどわからないほど自然な仕上がりを実現できます。
特に前歯の場合、見た目の美しさは日常生活において非常に重要です。インプラントなら、笑顔に自信を持つことができ、人との会話も積極的に楽しめるようになります。金属の留め具が見えることもないため、口元を気にせず大きく笑うことができます。
また、あごの骨にしっかりと支えられているため、人工歯がずれたり外れたりする心配がありません。食事中や会話中に突然外れる不安もなく、安心して日常生活を送ることができます。

2.3. 隣の歯への影響
従来のブリッジ治療では、失った歯の両隣の健康な歯を削る必要がありました。一度削った歯は元に戻すことができず、将来的にその歯の寿命を縮めてしまう可能性があります。
インプラント治療なら、隣の歯を一切削ることなく治療を行うことができます。健康な歯はそのまま残し、失った部分だけを独立して治療するため、お口全体の健康を長期的に維持することができます。
さらに、インプラントが噛む力を適切に分散してくれるため、残っている他の歯への負担も軽減されます。これにより、お口全体のバランスが保たれ、将来的な歯の喪失リスクも下げることができます。


3. インプラント治療の流れ
3.1. 初回相談〜検査、治療説明まで
インプラント治療は、まず丁寧なカウンセリングから始まります。患者さんのお悩みやご希望をじっくりとお聞きし、現在のお口の状態を詳しく診査します。CT撮影を行い、あごの骨の状態や神経の位置を三次元的に確認します。さらに、デジタル口腔内スキャナーで、噛み合わせの状態も確認します。
全身の健康状態や服用中の薬についてもお伺いし、インプラント治療に適しているかどうかを総合的に判断します。糖尿病や心疾患などの持病がある場合は、必要に応じて主治医との連携を取りながら安全に治療を進めていきます。
検査結果をもとに、シミュレーションソフトを使用して、インプラントを立てる位置〜被せ物の位置まで想定した、患者さん一人ひとりにとって最適な治療計画を立案します。治療期間や費用についても詳しく説明し、患者さんが納得されてから治療を開始します。ルミライズ歯科東中野では、わからないことがあれば何度でもご質問いただける環境を整えております。

3.2. 手術の実際
インプラント手術は、局所麻酔を行って痛みを感じないようにしてから実施します。手術時間は、説明〜確認まであわせて1本あたり約120〜150分程度で、患者さんの状態や埋入する本数によって変わります。
事前のCT撮影による詳細な計画に基づいて、的確な角度・位置にインプラント体を埋入します。ルミライズ歯科東中野では、100%ガイドオペを行っています。患者さんごとにオーダーメイドでサージカルガイドを作成するため、正確で安全な処置が可能となっています。麻酔により、手術中の痛みはほとんどありません。
手術後は、インプラント体があごの骨としっかりと結合するまでの期間(約3~6か月)を待ちます。この期間中は必要に応じて仮歯を使用していただくため、日常生活に大きな支障はありません。治癒期間中も定期的にチェックを行い、順調に回復しているかを確認します。

3.3. 治療後のケア
インプラント体と骨の結合が確認できたら、アバットメントを取り付け、最終的な人工歯を装着します。ルミライズ歯科東中野は、法人内に技工所があり、担当歯科医師と熟練の技工士が密に連携をとりながら人工歯の製作をいたします。患者さんのお口に合わせてオーダーメイドで作製するため、ぴったりとフィットし、自然な見た目と噛み合わせを実現できます。
治療完了後は、インプラントを長期間にわたって良好な状態で維持するために、適切なホームケアと定期的なメンテナンスが重要です。インプラント部分は虫歯になりませんが、歯周病にはなるので注意が必要です。普段のお手入れは天然歯とほぼ同様で、歯ブラシやデンタルフロスを使用した清掃を行います。
定期検診では、インプラント周囲の歯ぐきの状態をチェックし、必要に応じて専門的なクリーニングを行います。早期発見・早期対応により、インプラントを長期間に使い続けることが可能です。


4. インプラント治療を受ける前に知っておきたいこと
4.1. 治療期間について
インプラント治療にかかる期間は、患者さんの骨の状態や治療部位によって異なりますが、一般的には3か月から6か月程度を見込んでおく必要があります。この期間は、インプラント体があごの骨としっかりと結合するために必要な時間です。
骨の量が不足している場合は、骨を増やす処置(骨造成)が必要になることがあり、その場合はさらに数か月の期間が必要になることがあります。しかし、これらの処置により、より確実で長持ちするインプラントを実現することができます。
治療期間中も、必要な場合は仮歯を使用することで見た目や基本的な機能を維持できるため、日常生活に大きな制限はありません。ルミライズ歯科東中野では、患者さんのライフスタイルに配慮した治療スケジュールを提案いたします。

4.2. 費用について
インプラント治療は自費診療となるため、保険適用の治療と比べて費用が高くなります。しかし、その分高品質な材料と技術を使用し、長期的に安定した結果を得ることができます。
費用は治療内容や使用する材料によって変わりますが、1本あたり50万円から80万円程度が一般的な相場です。複数本の治療が必要な場合や、骨造成などの処置が必要な場合は、追加費用が発生することがあります。
多くの歯科医院ではクレジットカード払いや医療ローンなどの支払い方法を用意しており、無理のない範囲でお支払いいただけるよう配慮しています。治療前に詳しい費用説明を行い、患者さんが納得されてから治療を開始します。

4.3. メンテナンスの大切さ
インプラントは人工物ですが、その周囲の歯ぐきや骨は生きた組織です。そのため、適切なメンテナンスを怠ると炎症を起こす可能性があります。これを「インプラント周囲炎」と呼び、進行するとインプラントを失う原因となることもあります。
しかし、適切なお手入れと定期的なメンテナンスを行うことで、インプラントは10年、15年と長期間にわたって機能し続けることができます。実際に、20年以上問題なく使い続けている例も報告されています。
ホームケアでは、歯ブラシに加えてデンタルフロスや歯間ブラシを使用し、インプラント周囲を丁寧に清掃することが重要です。定期検診では専門的なクリーニングを行い、問題の早期発見に努めます。

5. まとめ
インプラント治療は、歯を失った方にとって生活の質を大きく向上させる画期的な治療法です。天然歯に近い噛み心地と美しい見た目を取り戻すことができ、隣の健康な歯を守ることもできます。
治療には一定の期間と費用がかかりますが、長期的な視点で考えると非常に価値の高い投資と言えるでしょう。適切なメンテナンスを行うことで、半永久的に使い続けることができます。
インプラント治療をお考えの方は、まずは歯科医院での相談から始めてみてください。患者さん一人ひとりのお口の状態やライフスタイルに合わせて、最適な治療プランをご提案いたします。ルミライズ歯科東中野では、患者さんが安心して治療を受けられるよう、丁寧な説明と高品質な治療をお約束いたします。
歯を失ってお悩みの方は、一人で悩まずに、ぜひ一度ご相談ください。インプラント治療により、再び美味しく食事を楽しみ、自信を持って笑える日々を取り戻していただけることを心より願っております。
