桃の節句雑学。お雛様の歯をよく見ると、お歯黒がしてあります!お歯黒(おはぐろ)は、いろいろな説がありますが、奈良時代から始まり1000年以上の長い歴史があります。平安時代には、貴族の間で広まり、やがて江戸時代には一般の人々もお歯黒をするようになりました。お歯黒には、結婚をしている人という意味があり、さらに虫歯予防の効果もあったと言われています。材料はタンニンを主成分とする「ふし粉」と酢酸第一鉄を主成分とする「鉄漿水」(かねみず)と呼ぶ溶液からなり、お歯黒筆あるいは房楊枝を用いて交互に塗布。タンニンは、歯のタンパク質に作用してこれを固定し、細菌による溶解を防ぎ、第一鉄はリン酸カルシウム作用してその耐酸性をあげていたようです。さらに、空気で酸化されて生成された第二鉄はタンニンと結合してタンニン酸第二鉄の緻密な膜となり表面を覆い細菌から歯を保護していました。1970年(昭和45年)から使用されている「フッ化ジアミン銀」(サホライド)は、まさにこのお歯黒をもとに開発されたものであり、歯科用合着セメントにも応用されています!歯科医療とお雛様意外なつながりがありました。
目次